裂く — 個展
2022.04.23 — 06.19
金車芸文センタ・南京館
台北,台湾
「撕繪画」は、画面上に貼られた紙テープを剝がす行為によって作品の完成状態を変化させ、鑑賞者やコレクターが「絵画がいつ完成するのか」という場に共同で参加するインスタレーション的な試みである。
絵画の完成には三つの状態があると私は考えている。第一に、作者が完成と判断したとき。第二に、作品が展示されているとき。第三に、作品が収蔵されたとき。これら三つの状態に共通しているのは、いずれも作者がもはや介入しないという点であり、つまり画面がこれ以上変化しないということを意味している。この前提のもと、私は「完成していながら、同時に未完成でもある」ような絵画の可能性を想像し始めた。
そこで私は、紙テープの「一時的に覆い隠す」性質を利用し、絵画の中に二重の時間と可能性をつくり出した。紙テープの下に埋め込まれたイメージはすべて事前に作者によって構成されているため、作品は完成しているともいえる。しかし同時に、鑑賞者が紙テープを剝がすことで画面は絶えず変化し、未完成の状態でもある。そしてその変化は私の設定した規則の内側にあるため、作者の介入は依然として存在している。こうして「撕繪画」は、「すでにあり、しかしまだない」という逆説的な状態を形づくるのである。


有趣なのは、道明の作品のあり方から見ると、これはいわゆる参加型の創作ではないという点である。紙テープを剝がすという行為によって観客が作品の共同制作者になるわけではない。なぜなら、剝がせる範囲やそこから生まれる視覚的効果はすべて、芸術家の構想と意図の内側にあるからである。
このように、この参加の仕組みがもたらすのは、「画面がどのようにして完成へと至るのかを、手を通して体感する」という経験である。観者は「自分の行為が画面の視覚的な表情を変化させた」と、確かに言うことができるのだ。
陳昕
已然而未然的圖畫